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2015年10月度月例写真(個人会員)

講評: 東日本本部事務局長 潮田正三

 
1 位

「無言の隊列」
多田 裕(大阪府)

【評】 古くから大阪の中心部として栄えた上町台地、その大阪城周辺に戦前は師団司令部や陸軍病院、大阪砲兵工廠等の陸軍の施設があった。 真田山陸軍墓地は1871年に整備され日清、日露戦争等々、太平洋戦争までの戦死者らが葬られている。 戦後は大阪市や地元の有志の世話で管理されて、往時の姿をとどめているそうだ。 この作品は一般兵士の明治時代の墓で、撮影の最中に軍服姿で銃を担いで眠る兵士たちの幻影が作者の脳裏に浮かんだとか。 逆光線の撮影が生い茂る草と無言の墓標を際立たせ、無常観を感じさせる。


 
2 位

「あぶない!」
中村敏夫(熊本県)

【評】 熊本市の藤崎八幡宮の祭りの呼び物は、御神幸行列の後の続く飾り馬だ。 毎年約60頭の馬が奉納されるそうだ。 見せ場は走ったり跳ねたりの馬たちのパフォーマンス。 あやうく勢子の一人が馬の後ろ脚で蹴られそうになった場面をしっかりと撮影した。


 
3 位

「豪雨、取り残された稲」
栗山郁夫(茨城県)

【評】 9月に関東地方や東北地方に大きな被害をもたらした台風18号。 その前触れの豪雨で、一部が刈り取りを終わった田んぼの水かさが増して、刈り取った稲わらが流れ漂う光景は、何も知らなければ綺麗に見えなくもない。 しかし、この後ほとんどの刈り取りを待つ稲は洪水に飲み込まれてしまった。 被害を伝える3〜4枚組み写真の中でも使えそうだ。


 
4 位

「ハイ、撮りますよ」
綾目義一(山口県)

【評】 初めて知ったが、作者によればヤマガラという野鳥は、人を怖がらず学習能力も高いので、遠く平安時代の昔から芸を仕込んでいたそうだ。 最近では鳥獣保護の観点から捕獲が禁止されて、そうした光景は見られないが、この写真をみればその芸達者ぶりが想像できる。 しかし、偶然か演出かは分からないが、カメラのレンズがこっち向きなのが良かった。


 
5 位

「観艦式参加の『いずも』を撮る」
佐藤政明(神奈川県)

【評】 今年の海上自衛隊観艦式には、就航したばかりの自衛艦「いずも」がお目見えした。 ヘリコプター搭載の護衛艦というが、そのスタイルはどう見ても航空母艦そのものだ。 最近は米中の南シナ海をめぐる駆け引きが注目され、集団的自衛権もあって日本の自衛隊も普通の国の軍隊になったといえる。 作品タイトルだが、これでは写真説明なので、ひと工夫がほしいところだ。


 
6 位

「さとのあき」
露木義光(静岡県)

【評】 刈り取りの終わった田んぼでのもみ焼殻きの風景。 とても懐かしいというか、日本の原風景ともいえると思うのだが、最近ではあまり見かけない。 作者によれば、この地方では今でもこうした作業が認められているのだそうだ。 点景の人物や遠景の富士山など、構図がしっかりとした作品だ。


 
7 位

「朝市」
杉本礼文(東京都)

【評】 山形県北部の肘折温泉の名物は、4月から9月まで早朝午前5時半から温泉街の通りで開かれる朝市だ。 私も何年か前に撮影したことがある。地元産の農産物や加工品がたくさんあり、ドテラ姿の湯治客らでにぎわう。 思い切り低いアングルからワイドレンズで迫ったが、人物の入れ方が中途半端だと思う。


 
8 位

「拝礼」
恒川富子(神奈川県)

【評】 鎌倉の鶴ヶ岡八幡宮での一コマ。 ベビーカーを横に神社の拝殿に向かって頭を下げるご夫婦を、拝殿のある高所から見下ろす形での撮影になった。 レンズの制約もあるが、あまりアップにぜず、周りが広く入った中にポツンと立って祈る姿が印象的だ。


 
9 位

「喧騒の中で熱演」
藤原信明(大阪府)

【評】 大阪なんばの千日前で見かけた、中国人観光客たちをスナップ。 ガイドさんの説明に、それぞれの目線がバラバラなところが面白くてシャッターを切ったそうだが、もう少し観光客たちを画面に入れ込みたかった。


 
10位

「ワンマン電車へようこそ」
荻島泰裕(愛知県)

【評】 岐阜県美濃市にある旧名鉄美濃線の美濃駅でのほほ笑ましい一コマ。 廃線後は駅舎や車両等が展示保存されているが、そこで愛犬に駅長のタスキをかけて撮影するご夫婦に出会った。 その記念撮影の場面を横撮り(?)したわけだが、背景の電車の保存状態が良いのには感心した。



入選

「帆船日本丸」 谷一市(神奈川県)

 

「舞う大漁旗」 中谷義彦(大阪府)

「日焼け止め持ってる?」 小林千賀子(米国オレゴン州)

 

「引き継がれる歴史と声」 ウォーターズめぐみ(英国ロンドン市)


 
(敬称略)

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