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2010年毎日写真コンテスト入賞・入選作品

【総評】写真家 江成常夫 さん
  写真は時代や社会を視覚化する記憶の装置とも言えます。わが国で最も伝統のある「毎日写真コンテスト」は、その名称を一時変えながらも、戦前、戦後を通じ、アマチュア写真界を牽引する優れた作品を生み出してきました。それは写真が持つ記憶の力、そしてまた、表現としての普遍的価値の追求に所以しています。
 ここでいう普遍的価値についてもう一歩踏み込んでみますと、故人で児童文学者の灰谷健次郎さんは「表現者にとっての条件は恵まれない人たちへの眼差し」といった意味のことを語っておられます。このことこそ写真表現の普遍性、いわば優れた作品を生み出す源泉、と私は受け止めています。
 「2010毎日写真コンテスト」には、時代や社会、人の営み、自然に真摯な眼差しを向けた多彩な作品が寄せられました。そのうちでもメインの「ドキュメント部門」は、内閣総理大臣賞を獲得した「新成人」のような、今の社会を鋭く見詰めた作品が目を引きました。その一方単、組みを含め、表現としての写真を十分消化せず、自己本位に終っている作品も少なくなかったことを指摘しておきます。
 一見平穏な移ろいを見せている現代社会には、年間三万人にも及ぶ自死、孤独死に見られる家族の崩壊など、飽食のなかの社会病理が顕在しています。灰谷さんの言葉はそうした今へのメッセージにもとれます。
 「ファミリー部門」には例年のように旅や家庭での楽しい写真が数多く見られました。面白い写真も結構ですが、エスプリの効いた眼差しも大切です。「学生部門」では小学生・優秀作のような奇想な発想、高校生・同の肉眼では見えない瞬間を止めた作品に「面白い!」の声があがりました。こうした若い世代から新たな写真の地平が拓かれるにちがいありません。
 
内閣総理大臣賞   「新成人」 塚田 米造  
文部科学大臣賞 「老労自立」  奥本 年秋
水と緑の環境賞 「共生」 伊藤 久幸
    
ドキュメント部門
毎日新聞社賞 異空間 萩原 清春
日本報道写真連盟賞 「パパ!!大好き」 大橋 志ほこ
入選
「祭日」 佐々木 公子 「晩秋ののどかさ」 亀田 喜代子 「ゆるやかな時」 伊藤 清
「待つ人々」 高瀬 たかお 「小春日和」 太田 晃 「炭焼き60年」 田中 睦子
「追想の町」 田嶋 孝三 「天与の彩り」 青木 静子 「その後の八ツ場地区」 白鳥 智通
「忘れかけたふる里」 古田 敏子 「花嫁たち」 大山 友美 「妙なる調和」 奥山 佐具子
「繁華街」 柳本 真一郎 「巨大な蔭」 林 茂 「雄叫び」 鈴木 敏雄
足」 加藤 清市 「食餌」 蜂谷 直子 「終焉」 嶋田 洋
「ワンちゃんもスター」 藤島 純七 「無人化への予兆」 小畑 一弘 「江の電 稲村ヶ崎駅」 高橋 康資
「至福顔」 中村 薫 「父は何処へ」 山口 ヒロナリ 「ばあちゃんと減量体操」 吉川 稔
「絆」 松本 末子 「写生の子たち」 片岡 仁 「下町の空」 齊藤 佐多雄
「朝の一時」 星川 靖捷 「また会う日まで」 藤吉 修忠
    
ファミリー部門
JR東日本賞 「黄昏の赤灯台」 石角 尚義
優秀賞 「自写自演・東京スカイツリー」  喜多 寛
優秀賞 「夏の高原お花畑」 村山 章
優秀賞 「出会い」 山縣 孝子
優秀賞 「にこやか」 野中 久美子
優秀賞 「水上パレード」 泉 健一
入選
「ボートダイビング」 飯田 能之 「ひまわり畑の中で」 八木 慶市 「路地裏の野球少年」 中野 竜夫
「ママとお散歩」 長井 澄雄 「いい気持ち」 牧原 昭文 「沖縄でのあったかい忘れない一日」 川口 三千子
「ファミリー」 吉田 一志 「お供します」 加藤 謹一 「イェ〜イ!!」 片山 育美
「じぃちゃん大好き」 吉田 恵子 「深秋のローカル駅」 金岡 明光 「手焼憧(あこがれ)せんべい」 野澤 義明
「囚人気分」 新田 めぐみ 「春爛漫」 米澤 確 「玄武洞」 別府 英子
「アート」 畑 誠一 「カワセミ」 永田 純子 「7年目のツーショット」 長谷川 悟
「早明浦ダムの夏」 斉藤 延子 「春風」 福原 良一
高校生部門
優秀賞 「躍動」  岡部 優
入選
「花火の景色」 土田 将也 「リフレッシュ」 安東 愛有子 「まいこ ver.Autumn☆」 鈴木 花苗
「スポットライト」 佐藤 伸哉 「川越の写真家」 依田 律子 「歓喜」 小林 加奈
「カラス」 永田 杏菜 「仕事からの解放」 松木 さぎり
「勝負だ!!」 古沢 出雲 「海の日祭りにて」 木村 佳穂
中学生部門
優秀賞 「仮面の少女」 三木 万理子
入選
「若者」 中村 開知 「風をきって」 大澤 礼佳 「テレパシー」 兵藤 瑞樹
「ぼくの妹」 野呂 英司 「おいち〜」 杉本 舞 「トラベラー星人列車内に現る!?」 伊倉 明香
「おとしもの」 大北 浩人 「維新」 山下 大智 「雪、おいしい?」 飯村 乃亞
小学生部門
優秀賞 「あのくも おいしそ〜♪」 田中 音帆
入選
「もう一人のわたし」 三浦 万侑 「あしにいじわるなねっこ」 新井 健太 「ママとおさんぽ♪」 佐藤 優花
「パパとハムスター」 山口 舞 「名カメラマン」 武市 笑花 「カモの親子」 板垣 ひな
「おちないでね」 松田 昂大 「あいこ で しょっ!」 新田 英登 「ブロッコリー?」 合田 小春
  
以上敬称略
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